プレミアムフライデーが通り過ぎてからそのネタを記事にする、このタイミングの悪さよ。オレ。
まあ、書きたいことを書けるようになったら書く、それしかないやんね。
ネットだからと乱暴な言葉を使うのはよろしくないので、言葉を選んで書きたいと思いますが、最初だけ言わせてください。
プレミアムフライデーは万能じゃないかもしれないが、それを頭ごなしに否定ダケするやつは無能だ
プレミアムフライデーの目的
プレミアムフライデーのオフィシャルサイトとはこちらなのでしょう。(go.jpだぞ、おい)
premium-friday.go.jp リンク切れです。今は、こちらのようです。
経済産業省のリリース(リンク切れ)から、プレミアムフライデーの目的を引用してみます。
個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、
(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
(2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる
(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
といった効果につなげていく取組です。
官民で連携し、全国的・継続的な取組となるよう、この取組を推進するための「プレミアムフライデー推進協議会」が設立されました。本日、第1回会合が開催され、実施方針・ロゴマーク等が決定しました。また、本取り組みを進めるに当たっては、働き方改革などライフスタイルの変革ともあわせて推進してまいります。
ざっくり言ってしまえば、「労働者の労働負荷軽減」と「経済の活性化」の二兎を追う国の政策だってことですよ。
都合が良すぎる話です。
人事部としては、前者の方が気になります。
[st-cmemo fontawesome="fa-question-circle" iconcolor="#4FC3F7" bgcolor="#E1F5FE" color="#000000" iconsize=""]※経済産業省がプレミアムフライデーのリリースを無くした(リンク切れさせた)というのは、過去を消し去りたいのか。[/st-cmemo]
国から言われてやることか
労働者の労働負荷軽減、ワークライフバランスといった課題は企業(その他、人が仕事をする組織)自身がやるべきことであって、国から言われてやることじゃない。
もちろん、労働基準法での労働時間の取り決めや監督、調査、処罰というのは国、行政がやることですが、長時間労働の解消や回避というのは企業自身、あるいは労働者自身がやるべきことです。
国が言い出さないと早く帰ろうということにならないのはちょっと違うかな。
国も、こういうイベント的なことをやる以前に、労働基準監督の取り組みの強化を優先してやるべきじゃないのか、とも思います。
動き出すのは悪くない
言われたのが国だろうが経営トップだろうが、何も動かないよりは動き出した方がいい。
長時間労働、そしてそれによる弊害を無くそうという取り組み、努力。文句言うダケよりは、行動することの方が大事だ。
意識の壁が立ちはだかる
ノー残業デーだとか、今回のプレミアムフライデーだとかの早く退社する仕組みにいつも出てくる反論が、
「早く退社した翌日は残業しなければならないから意味がない」
です。これってどこまで事実、真実なのか、悩みます。
いつもより2時間早く退社したら、翌日2時間余計にしないと仕事が終わらない、そういう類の仕事ならしょうがない。でも、必ず毎日、その2時間残業しないと終わらない仕事なのか、単に終わらせることができない、あるいは終わらせようとしていないだけじゃないのか。
そもそも、文句言う人たちは、「定時に帰るために」「残業しないように」仕事するってことをしているのかどうか。
繰り返しますが、仕事の種類にもよるので一概には言えないことはわかってます。でも、早く仕事を終えようとしている意識がなければ、いつまで経っても残業をなくすことなんてできない。
- デートのときは早く仕事を終わろうと懸命になる
- 早く帰宅してサッカーの試合をテレビで観たい
こんなときは早く帰るようにしてるんじゃないか、ヒトは。
ほんの一瞬(というほどの短期間)在籍したとある職場に、こんな社員がいると聞いたことがあります。
- 朝早くから会社に来てて、終電で帰る。その間、ずっと会社にいる。休日も関係なし。どうやら、仕事以外の時間は、食事、風呂、寝る、それだけ。
- 仕事が多いわけじゃない。多い季節もあれば、さほど忙しくない時季もある。それでも、常に会社にいる。
- 机の上、周囲は書類がうず高く積もっている。
この人物はかわいそう。仕事以外に生きる楽しみ、生きがいを持ってなさそう。仕事以外が無いから、仕事を早く終わらせようとする意識がない。書類が片付いていない(正確には“片付けられない”のだろう)のはその証拠だと思われます。
この社員を、背後、ちょっと距離をおいたところから眺めてました。生きてる感じがしなかった。
仕事を定時で、残業なしで終わらせる姿も、人事部は見てるぜ。
「そういう価値観もいいじゃないか」
とは思いません。
メリハリが生きる価値を生む
大げさなタイトルにしましたが、誇張していません。
極論すれば、2時間長く残業してもいいから、2時間早く帰る日を作ろう。それで感じる、得られることが多いハズ。
- 真っ暗じゃない街の風景って、いつもとこんなにも違うのか・・・
- 陽光が照らす街の木々や草、建物の様子
- いつもとは違うコンビニの店員
- (家族がいる人は)家族がご飯をどんなふうに食べているか
- (子どもがいる人は)親が早く帰ってきたことをとても喜んでくれる
残業せずに退社する生活がこんなに違うものか、と思う。それが重要。
毎日これができなくとも、週に1回は早く帰る、それができなければ月に1回、プレミアムフライデーでもいいじゃないか。金曜日が都合が悪ければ他の日、曜日でもいいじゃないか。早く帰ってみてよ。いつもと違う風景が待っている、あなたの知らない社会はこんなふうに動いている。
それを知らないで何が人生ですかって、大げさに表現するけど、でもそう思う。
わたしがそうだった。精神科医から「ワーカホリック」の烙印を押された。
でも、早く帰ってみたら違う世界がひらけてきた。
そういうもんです。
わたしはその経験を、今の部署、人事部門で率直に打ち明け、同じ経験をしてほしいと喚起します。
プレミアムフライデーも、そのように前向きに動き出すきっかけになればいいのだ、とわたしは想いながら、先週金曜日はいつもよりちょっと早めにビールを飲み始めました。
ご病気などのご家族をかかえながら、企業の重役の仕事も全うされた佐々木常夫さんの物語。やればできる。