読書感想文「仏教ではこう考えます」釈徹宗 著 第2部

第1部からの続き、「仏教ではこう考えます」(釈徹宗 著)の感想文です。

(第1部は最後部にリンクを貼っております)

仏教ではこう考えます(裏)

 

第1部では、わたしが仏教に興味を持つにいたるまで書きました。

で、出合った本がこの本です。

この本は、大きく2つに分かれていて、前半が「新聞読者から寄せられた紙上問答編」、後半が「日々の問答編」です。

2部構成が、この本をわかりやすくしてくれる魅力です。

 

著者の釈徹宗さんは、京都新聞で読者から受けた質問に答えるというコーナーを持っていて、その内容を前半に置いてます。これが面白く、わかりやすい。

たとえば、

Q.神と仏はどう違うのですか?

Q.お坊さんもクリスマスを祝うのですか?

といったものです。わたしたちも知らなかったり、聞いてみたいなという質問が53個あります。

これらの質問に面白おかしく、あるいは真剣に(全部真剣に答えてます)答える内容が、仏教ってどういうものなんだろう、という素朴な疑問を少しずつ解消してくれます。

 

宗教って、堅苦しいものだったり、敷居が高いと思わせます。なので宗教を学ぼうというわたしの願いも、昔からあったのですが、なかなか行動に移せませんでした。

これまでも本を何冊か読んだのですが、これといってつかめたものはありませんでした。

 

今回、この本の前半部分が、仏教の輪郭みたいなものをイメージさせてくれました。そして後半の「日々の問答編」にはいりやすくなります。

「日々の問答編」は、前半の問答よりは、1つのことについて広く深く紹介してくれる感じになってます。

Q.死んだうちのおばあちゃん、どこへ行ったんでしょうか?

Q.お坊さんも殴られたら殴り返しますか?

前半もそうなのですが、後半も、結局は正解などなかったり、仏教ではこう考える(宗派によって違ったりする)、キリスト教はこう考える、ということしかできないものが多いのです。(殴り返すお坊さんもいれば、殴り返さないお坊さんもいるのです。)

 

読んでいて「良かったなあ、ありがたいなあ」と思うことが頻発します。

というのも、わたしの理想というか、こうあるべき、と思う主張に近いのです。仏教と他の宗教との違い、仏教の中でも浄土真宗と他の宗派との違いです。

こういう考え方をする宗教の家に生まれてよかった、と思うのです。

いや、正確には、親の教育がその宗教・宗派で行われたから、わたしもそう考えるようになった、ということなのかもしれません。

 

もちろん同じように、他の宗派、他の宗教についても同じことが言えるのでしょう。仏教から見ればなんでそういうことで争うの?と思うことでも、その宗教だからこその考え方にたてば争うことが正当なのでしょう。

その中でも、あらためて客観的に考えると、浄土真宗は、すべて(他の宗教とか)を受けいれるだとか、人やその他の生物、環境などを受け入れる姿勢のようです。

この記事で仏教をおすすめするつもりはありません。他の宗教も受け入れる浄土真宗ですから。

 

【最後に】

この本を読んでいるときのわたしの反応は「ほほー、なるほどそういうことか」の連続なのですが、一箇所泣いたところがあります。それが「お坊さんも殴られたら殴り返しますか?」を解説する部分です。

なるほど、仏教の非暴力に対する覚悟って、そういうものなんだなって。

(詳細は、本書をお読みください。)

 

 

第1部はこちら

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